好奇心が旺盛な子供だったと思う。
公園の地面にしゃがみ込んで蟻達の列を見る。
規則正しく進んでいる、自然界の黒い整列。
そこにそうっと飴玉を置いて、数時間後にまた見に行くとさっき置いたピンク色の飴玉に黒い蟻達がわらわらと集っている。
自分が置いた飴玉というまさに甘い蜜を、蟻達が夢中になって食べている。列を乱しながら。
子供の私はしゃがみ込み、それらを上から眺めている。
その何とも言えない万能感というか、この小さな黒いコミュニティにおいて自分が神になったような愉悦に浸る。
そういう遊びをよくするような、全くもって嫌な子供だった。
成長した今でも私の根底にあるものは変わっていないように思う。
セックスしている間、女の子は神になれる。
腕力でも体力でも勝てない相手を、精神的に降伏させることができる。
自分が相手にとってご馳走で、甘い蜜で飴玉で、時には自己犠牲という対価を払ってでも手に入れたいものだということをひどく自覚しているから。
男のひとが思うより、ずぅっとずるい生き物なんですよ、女の子って。
変わらないといえば、やはり好奇心の部分。
子供の頃に感じた「これをしたらどうなっちゃうんだろう?」というあの感覚。
「このボタンを押したらどうなっちゃうんだろう?」
「今ここで叫んだらどうなっちゃうんだろう?」
大人になった今、それらは形だけを変えて未だに時に私に問いかけてくることがある。
「この人にいきなりキスしたらどんな反応をするんだろう?」
「この人はセックスの時どんな風に女の子を扱うんだろう?」
知りたいな。
知りたいな。
きっとこの人は嫌がらないだろうな。
私は神だから。
可愛い女の子という飴玉だから。
でも現実でそれをすることは無い。
大人だから。
嘘、たまにある。
でもしないことの方がずっと多い。
私はもう子供ではないし、男のひとは蟻ではない。
そんな現実とフィクションの狭間で、多少強引にでもその望みを叶えてくれるのがAVなのだ。
私の新作「新人女子社員に焦らされ痴女られて迎える最高に深い射精 逆夜●いNTR」では、そんなどこにでもいるような、ずるい女の子になっている。
なっている、と言ってもかなり私の素に近い人格なので、ほとんど現実の私そのままと言っても過言ではないと思う。
それにしても「新人女子社員」に「焦らされ」「痴女られ」「射精して」、さらに「逆夜●い」で「NTR」たいって…。
男のひとって本当にわがままでよくばりで、かわいいですね?
取引先との商談の為に数人の部下を連れて片田舎へと赴く部長、と部下の一人である新人女子社員古川ちゃんこと私。
メガネに地味なスーツに特徴の無い髪型。
華の無い雰囲気。そんな大人しい部下が出張先の旅館で、奥さんのいる部長に夜な夜な下品に迫るという男の見るエロい夢みたいなシチュエーション。
無事に商談も上手くいき、田舎の旅館で過ごす部長と古川ちゃん。
出張先で普通に過ごすってきっとこんな感じ。
夕食時に同僚たちにちくちく言葉を言われて黙っていると、庇ってくれる優しい部長。
作品では描かれていないけれど、きっと部長はいつもこうやって気遣ってくれている。
じゃないときっと、女子社員が年上のおじさんである部長の汗を自前のハンカチで拭いてあげたり、しないでしょ。
でも、仕事の関係であればあるほど、好奇心が湧いてくるんです。
だって、仕事だけどここは会社じゃないし、出張先だけど田舎の旅館ていう非日常だし。
普段会社でできないことをしたくなっちゃっても、おかしくないよねえ。
「部長にいきなりキスしたらどんな反応をするんだろう?」
「私が誘ったら、部長はセックスの時どんな風に私を扱うのかな?」
知りたいな。
知りたいな。
部長はきっと嫌がらないよね。
だって私、可愛くて大人しい新人女子社員ちゃんだもん。
好奇心という欲望が抑えられない古川ちゃん。
部長にガンガン酒を●ませていき、とろんとした目で部長に近づいていく。
もっと、もっと飲んでくださいと無理やりお猪口を口元へ。
わざと胸元はだけさせたり、手握ったり、耳舐めたり、かなり強引な誘惑。
いやまぁ、確かに強引だったけどさ…そんなホラー映画みたいなBGMかけなくたっていいじゃん!とは、思う。
だめだよ、だめだよと言いながら新人社員ちゃんこと私にされるがままの部長。
…だめじゃない癖に。
だってそうでしょう?
腕力は圧倒的に部長の方が強いんだから、無理やりにでも引き剥がしたり拒否することはできるはずなんです。
それをしない癖に、「だめだよ」って、何?
女の子のせいにしたいのかな?
不可抗力?俺は拒否したんだっていう既成事実が欲しいの?美味しいところだけ貰って?
もー、男のひとって本っ当にわがままだなー…。
でもさせないよ?
だからキスして乳首もアナルもたまたまも舐めたけど、おちんちんだけは舐めなかったの。
私のせいじゃなくて二人のせいにする為にはちゃんと部長に口で言ってもらわないと…。
そしたらやっと「ちんちん舐めてほしい…」って女の子みたいなか細い声で言うから笑っちゃった。
言質も取れたことだし、いっぱい奥まで咥えてあげるね。
でも人間って快楽に貪欲だから、ひとつ叶うともっと欲しくなっちゃうこと知ってるよ。
フェラしたら次は何が欲しいのかな?挿れたい?挿れたいんでしょ?
まぁフェラした時点でとっくに一線は超えているんだけれど、やっぱりセックスって特別だから。
舐められて勃起したおちんちんを挿れずに擦り合わせるやつ、何なら挿入するよりエロいよね。
挿れてくださいってお願いしてって言いながらゆるゆると腰を動かしていたら部長が「挿れてください…」って観念したように言ってくれたの、嬉しかったな。
本当に女の子みたいだね?
大きく足を開いて挿入部分を見せつけるのも好き。
相手が既婚者なら尚更。
ほらあ、ちゃんと見ないと。
既婚者なのに年下の女の子とセックスしてるよ。
仕事で来たのに、出張先の旅館で部下の新人女子社員とセックスしてる。だめなんだあ。
でもこういう背徳感って悪くないでしょ?
ていうか好きでしょ?
私が部長をコントロールしているんじゃないよ、部長がして欲しいことを叶えてあげてるだけだよ。
私をコントロールしているのは部長だよ。だから…私は悪くないよね♡
自分の身体という甘い蜜をほんの少しだけ味見させて、それが欲しくて夢中になっている男のひとを跨がりながら上から眺めるのって本当に気分が良いよ。
だからセックス大好き。
相手にとっての神になれるからね。
旅館に滞在している間、そんな感じで夜な夜な部屋にお風呂に、部長を襲いにいっちゃう古川ちゃん。
遂には部長にかかって来た奥様からの電話に勝手に出るという奇行にまで走っている。
大胆にもなるよ、だって部長がチョロすぎるんだもん♡
そのまま最後、部長が誘惑に負けて射精しようと必死に腰を振っているのをニコニコしながら下から眺めている。
神の視点。
ほら、がんばれがんばれ。
作品はそこで終わるけれど、きっと東京に戻ってまた会社で部長と会う日常が戻って来たとしても、きっと古川ちゃんは何食わぬ顔して大人しい新人女子社員ちゃんにしれっと戻るんだろうな。
気まずそうな部長を脇目に見ながらね。
女の子はそういうの上手なんだよ、言ったでしょ?
男のひとが思うより、ずぅっとずるい生き物なんですよ、女の子って。